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インターネット創世期

(USA)

今何気に使っているこのインターネットの世界において、
まずはどうしてこの世界が形作られていったかを文章で追ってみましょう。
 
 アメリカ国防総省高等研究プロジェクト(DARPA)は、ミサイル攻撃を受けたとしても、米軍全体として支障のないように、データネットワークの形成をする研究テーマを掲げ、パケット交換プロジェクトが研究されることになりました。 

 まさに、アメリカ対ソ連の冷戦真っ只中の時代にこのプロジェクトが発足し、そのネットワークは ARPANET(アーパネット)と呼ばれました。 

 この研究のために、アメリカのユタ大(UU)、スタンフォード研究所(SRI)、カリフォルニア大学ロス校(UCLA)、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の4校がネットワーク回線で結ばれ、共同研究がスタートしました。これが1965年のことです。 

 しかし研究の途中から、軍事目的は他のプロジェクトとして独立し、ARPANETは大学間の研究用ネットワークとして存続することとなりましたこれが俗に言うインターネットの始まりといわれます。 

 そして70年代に各UNIXマシンや他のネットワークとも接続されるようになり、そのころにARPA Internetと呼ばれるようになりました。皆さんがよく知っている「Internet」の用語がここで生まれるわけです。 

 さらに85年にNSFnetと呼ばれるスーパーコンピューター同士をつないでいたネットワークと接続し、ようやく「Internet」がひとつの単語として呼ばれることになりました。

この頃のInternetは研究目的のためのみの存在であり、主に大学や研究所の人の、
限られた人のみがログインでき、今のように誰もがアクセスできるのには、まだ長い月日が必要でした。
 
 
 

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インターネット創世期

(Japan)

そして日本はというと、まさにインターネットは暗黒の時代、
上記の1985年からさらに時を経て、1993年に時代は飛びます。
 
 それは1992年12月、日本に初の大規模ネットワークサービスプロバイダと呼ばれる、インターネット接続専門業者が誕生しました。 

 その会社名はインターネットイニシアティブジャパン、そうIIJの誕生です。このIIJの誕生により、研究目的の大学や、研究所のみならず、我々一般市民も着替えさえそろえればごく簡単にインターネットに接続することが出来るときが来たのです。 
#今の人だと、IIJ4Uのプロバイダ会社と言ったほうが分かりやすいでしょうか。 

 しかし、それは大学や研究所で使っている人が、学校の変わりに、家でもアクセスできるくらいのメリットしかまだなく、一般に普及するまでにはまだまだ時間がかかりました。 

 その頃の逸話として、某大学から研究所まで、フロッピー一枚分のデータ(1.44M)を専用線(192kbps)でダウンロードするのに当時だと混むこともなく、1分もかからずに出来たのに、今では1分たってもダウンロードするそぶりも全くなく、反応さえしない場合がある、と嘆いていました。 

 当時は、NIFTY-Serve・PC-VAN・アスキーネットの3大パソコン通信ネットワークと、その下にPeopleやASAHIネット、そして個人がパソコン通信サーバーを運営している「草の根ネット」が幅を利かせていました。 

 その頃の通信スピードは、文字ベースのパソコン通信と言うこともあり、モデムスピードは2400bpsがまだ主流で、快適さを求めたい人は、わざわざ別料金を払って14400bpsや28800bpsのモデムを使って通信をしていました。 

 しかしインターネットの星の光は、小さいながらもこれから強烈に光り輝こうとしていました。 

 そう、それは大学という恵まれた研究施設によって、しかも大学生という若さあふれるパワーと趣味を最大限に生かせる余った時間で、インターネットの世界を構築していく、フロンティアスピリッツの持ち主達によって。

 
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